お母ちゃんと一緒 其之一 ~カメラ~
こんにちは。
実は私は元々、カメラには興味がありません。姫の写真もあまり撮ったことがありません。その私がカメラを持ち歩き、写真を撮るようになったきっかけが亡き母です。
今は春ですから色々お花が咲いていますね。道を自転車で走っていると後ろのお母ちゃん(一昨年のクリスマス突然、脳溢血で亡くなった母)が「このお花写真に撮って。」とメッセージを送ってきます。3月は黄色の菜の花畑、良い匂いのする沈丁花、4月はピンク色の可愛らしい桜と、妖艶な紫の菖蒲(道路に雑草のように生えていた…。)色々なお花をカメラで撮っています。
冒頭でもお伝えした通り、私は元々カメラには興味がありません。お花にも興味がありませんでした。母が亡くなってから何となく自転車で走っているとお花が目に留まるようになりました。最初は母が「お花きれい。お花写真に撮って。」メッセージを送っているとはつゆ知らず、「綺麗だな~、なんかお母ちゃんみたい。」と思ってながめていました。
ある時自転車で道を走っていたら、鮮やかな黄色い菜の花畑が目に留まりました。「このお花の写真を撮って欲しいよ。とお母ちゃんが言ってる…。」と、ふと思ったんです。
亡き母は、お花が大好きでした。
それから私は外に出かける時、カメラを持ち歩くようになりました。変わった雲の形や、素晴らしい景色なんかも「この風景撮って。」と母がメッセージを送ってきます。そんな時は、もちろん私自身も「きれいな景色だなぁ…。」と思って撮っていますが。
先月たまたま自転車で通りかかった時、結婚式が行われている所に遭遇しました。たくさんの風船が空に放たれた瞬間を見ることができました。色とりどりの可愛い風船たちが青空に放たれて、私は「あー!いいな。あの風船にのって私も空を旅したい。」と思った瞬間に「あ、カメラに撮らなきゃ。」と思いました。
母がまたメッセージを送ってきたのでしょう。
今はあまり外を出歩いてはいけないのでを家で自粛生活をしています。そんな時はカメラで撮ったお花の写真や綺麗な景色の写真を見て癒されています。多分母は私が可憐なお花や綺麗な風景の写真を撮ることによって、私自身が癒されることを知っているのでしょう。
母の策にすっかりはまっています。
肉体は無くなっても、母の魂は私と一緒にいる。お花の写真をカメラで撮るたびに、大好きなお母ちゃんの笑顔がよみがえって嬉しくなります。